アントワーヌ・ド・サン=テグジュペリは1900年の6月29日にフランスで生まれた作家です。航空機のパイロットとして活躍しながら作品を発表し、『夜間飛行』、『人間の土地』、『星の王子さま』などの作品で知られています。空と人間を愛したこの作家のトリビアをまとめてみました。
目次:
- 本名はとても長い
- コンスエロ - 星の王子さまのバラのモデルとなった女性
- アメリカのサン=テグジュペリ
- 『星の王子さま』はアメリカで書かれた
- サン=テグジュペリの最後
- 星の王子さまミュージアム
- サン=テグジュペリ関連書籍と漫画
本名はとても長い
サン=テグジュペリの本名は「アントワーヌ・マリー・ジャン=バティスト・ロジェ・ド・サン=テグジュペリ(Antoine Marie Jean-Baptiste Roger, comte de Saint-Exupéry)」です。長い名前が示すように貴族の家系ですが傍系で、アントワーヌも父も爵位はもっておらず、没落貴族でした。読者からは「サンテックス」の愛称で親しまれています。
1900年の今日はフランスの小説家、アントワーヌ・ド・サン=テグジュペリが生まれた日です。軍隊と民間で飛行士として働きながら小説を発表しました。夜間飛行、人間の土地はベストセラーとなりました。星の王子さまも長く読まれています。 pic.twitter.com/cdSt0TCFBW
— 愛書家日誌 (@aishokyo) 2016年6月28日
コンスエロ - 星の王子さまのバラのモデルとなった女性
26歳で文壇デビューしたサン=テグジュペリは、30才の時、郵便飛行機会社の駐在地ヴエノスアイレスでスペイン系の女性コンスエロと出遭い激しい恋の末に結婚します。その後、小説『夜間飛行』が発表されるとサンテックスはパリ社交界の寵児となり、家に帰らない彼とコンスエロはすれ違うようになります。二人は同じホテルの上下階に住んだり別居したりして、何度も離婚の危機に直面しますが最後まで離婚することはありませんでした。二人は強い愛情で結ばれており、コンスエロは「星の王子さま」に出てくるバラのモデルと言われています。サン=テグジュペリは「星の王子さま」の続編の献辞はコンスエロに捧げる予定だったそうです。
サンテックスは30歳でエルサルバドル出身のコンスエロと結婚します。結婚後、彼は一躍有名になり、二人の関係は怪しくなっていきます。星の王子様のバラはコンスエロがモデルだと言われています。 pic.twitter.com/08WgLuRbOE
— 愛書家日誌 (@aishokyo) 2016年6月29日
アメリカのサン=テグジュペリ
1939年に第二次世界大戦が勃発するとサン=テグジュペリはフランス空軍で偵察機操縦の任務につきます。しかし、親独のヴィシー政権がドイツと講和を結ぶとサン=テグジュペリは除隊し、ポルトガルを経てアメリカに亡命します。ニューヨークに着いたのは1940年の終わりでした。サン=テグジュペリは英語を学ぶことを好まなかったためなかなかアメリカに馴染めず、現地のフランス人同士の対立にも巻き込まれ孤独な生活を送りました。
アメリカ滞在中のサンテックスの書斎です。 #あの人の書斎 pic.twitter.com/3Di3yr4lZq
— 愛書家日誌 (@aishokyo) 2016年6月29日
『星の王子さま』はアメリカで書かれた
サン=テグジュペリ夫妻が滞在した「べヴィン・ハウス」
サン=テグジュペリ夫妻はコンスエロが見つけたロングアイランドにあるべヴィン・ハウスを借りて暮らしました。「星の王子さま」はこの家で執筆されました。後に彼女はこの家を「星の王子さまの家」と名付けています。 1942年の夏にサン=テグジュペリが昼食中にナプキンに描いた小さな王子様の絵を見た編集者に童話を書くことをすすめられたことが執筆のきっかけとなりました。
モルガン・ライブラリーが所有する星の王子様の原画。戦場に戻ることを決めたサンテックスはシルヴィア・ハミルトンの前に現れ「これが僕の持ってる全てだ」と紙袋に入った原稿を渡しました。https://t.co/GZBpCJCtxE pic.twitter.com/TLiomArAeX
— 愛書家日誌 (@aishokyo) 2016年6月29日
1943年4月6日にアメリカで「星の王子さま」が刊行されるとサン=テグジュペリは、再び戦地に戻ることを決心します。
サン=テグジュペリの最後
1944年7月31日、原隊に戻ったサン=テグジュペリはコルシカ島から地中海へ偵察に出たのを最後に消息を絶ちました。長らく彼の最後の詳細はわかっていませんでしたが、1998年9月7日、地中海のマルセイユ沖にあるリュウ島近くの海域でサン=テグジュペリとコンスエロの名が刻まれたブレスレットがトロール船によって発見されました。あらためて広範囲な調査が行われた結果、近くで発見された航空機の残骸が彼の搭乗機だと確認されました。2008年3月15日プロヴァンスのローカル紙「ラ・プロヴァンス」にサン=テグジュペリの偵察機を撃墜したとするホルスト・リッパート曹長の証言が掲載されました。サン=テグジュペリ作品の愛読者でもある彼は「長い間、あの操縦士が彼では無いことを願い続けた。彼だと知っていたら撃たなかった」と語っています。
1998年9月7日、地中海のマルセイユ沖にあるリュウ島近くの海域でサンテックスとコンスエロの名が刻まれたブレスレットがトロール船によって発見されました。近くから彼の機体の残骸も発見され撃墜されたことが確認されました。 pic.twitter.com/Jfv4EZNk8G
— 愛書家日誌 (@aishokyo) 2016年6月29日
星の王子さまミュージアム
星の王子さまミュージアムは神奈川県箱根町仙石原にある「星の王子さま」および作者のアントワーヌ・ド・サン=テグジュペリをテーマとした博物館です。 #文学館https://t.co/6bppwkL1qM pic.twitter.com/tayPhjOhEr
— 愛書家日誌 (@aishokyo) 2016年6月29日
サン=テグジュペリ関連書籍と漫画
星の王子さま バンド・デシネ版
「星の王子さま バンド・デシネ版」は世界で初めての公式コミックです。日本語版では池澤夏樹があらたに翻訳を行っています。
星の王子さま バンド・デシネ版 (Le Salon des livres)
- 作者: ジョアン・スファール,池澤夏樹
- 出版社/メーカー: サンクチュアリ出版
- 発売日: 2011/05/23
- メディア: ペーパーバック
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バラの回想―夫サン=テグジュペリとの14年
『星の王子さま』のバラのモデルと言われる妻コンスエロによる回想記です。悪妻ともいわれた彼女とサンテックスは一体どんな関係だったのでしょうか?
- 作者: コンスエロド・サン=テグジュペリ,Consuelo De Saint‐Exup´ery,香川由利子
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2000/11
- メディア: 単行本
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ちいさな王子
星の王子さまとして知られるサン=テグジュペリの本の新訳「ちいさな王子」です。淡々とした語り口がより原著に近いです。https://t.co/ytnxpWxy82 pic.twitter.com/TkRMu3qoVV
— 愛書家日誌 (@aishokyo) 2016年6月29日