コッポラの映画「地獄の黙示録」の原作「闇の奥」を書いたイギリスの小説家、ジョゼフ・コンラッド。彼にまつわる5つのトリビアをご紹介します。
1. ジョゼフ・コンラッドは本名ではない
本名はテオドル・ユゼフ・コンラト・コジェニョフスキです。1857年12月3日にロシア帝国キエフ県(現ウクライナ)に生まれました。父親は没落したポーランド貴族の小地主で文学研究者でしたが、ロシア政府により捕らえられ流刑地送りになりました。
2. ギャンブルにはまり20代で自殺を試みる
ジョゼフは16歳の年に船乗りを目指してポーランドを出ます。20代になるとギャンブルにすっかりはまり、1878年には借金を苦に銃で自らの胸を打ち自殺をはかります。弾丸は奇跡的に心臓をはずれ、後の世界的作家の命は助かりました。
3. 小説を書いた英語は四番目の言語
ジョゼフの最初の言語はポーランド語、ロシア占領下であったためロシア語も話す必要がありました。その後、フランス商船で船員として働く際にフランス語を学び、1878年以降、イギリス船に乗り英語を学びました。20歳を過ぎて学んだ言葉であの小説を書いたのはすごいですね。
4. ジョゼフ・コンラッドと映画エイリアンの関係
リドリー・スコット監督の映画「エイリアン」に登場する宇宙貨物船ノストロモ号は、彼の小説「ノストローモ」から名付けられています。またジェームズ・キャメロン監督の「エイリアン2」に登場する軍用宇宙船スラコ号は、小説ノストローモの舞台である町の名前からとられています。
5. 未完に終わった最後の作品の名前は?
「サスペンス(Suspense)」というナポレオン時代を描いた歴史小説が最後の作品となりました。サスペンスには中断された、未完のという意味があります。
闇の奥
コンラッド作品の中でも知名度が高く、多く読まれているのはこの作品でしょうか。映画「地獄の黙示録」の原作であること以外に、村上春樹の羊をめぐる冒険や1Q84へも影響を与えているようです(村上春樹の好きなフィッツジェラルドはコンラッドに心酔していました)。またアメリカの文学出版社の老舗ランダムハウス・モダン・ライブラリーが選んだ「英語で書かれた20世紀の小説ベスト100」にも選出されています。それほど長くない中編小説なので、案外短い時間で読めてしまうかも。
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