レイ・ブラッドベリほど10月を愛した作家はいないかもしれません。SFの詩人が残した秋の夜長にぴったりな10月のお話をまとめてご紹介します。
ハロウィーンがやってきた
ハロウィーンの日に8人の少年たちが謎の怪人と一緒に時空を越えた旅をします。古代エジプト、パリ、メキシコ。ちょっと怖くて幻想的なハロウィーンの世界を堪能しながらハロウィーンの本質を知ることができます。ブラッドベリが初めて書いた児童小説です。
- 作者: レイブラッドベリ,Ray Bradbury,伊藤典夫
- 出版社/メーカー: 晶文社
- 発売日: 1997/10/01
- メディア: 単行本
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10月はたそがれの国
SFというより幻想小説のような不思議さと怖さがあるブラッドベリの初期の作品を集めた短編集です。どの作品も10月に読むのがふさわしい季節感があります。The October Countryを10月はたそがれの国と訳したタイトルが秀逸だと思います。
十月の旅人
原題は”The October Game and Other Stories”ですが、その「10月ゲーム」が怖すぎます。最後の1行の見事さは小説の醍醐味ですね。収録作「永遠と地球」の中でも10月についてこう書いています。10月、好きすぎじゃないでしょうか。
宇宙は十月に似ている、とトマス・ウルフは書いていた。その暗さと孤独、そのなかにいる人間の卑小さを、彼は語っていた。
何かが道をやってくる
まず最初に、それは10月だった。男の子にとって特別な月だ。全部の月が特別じゃないわけじゃない。でも海賊が言うみたいに良いのと悪いのがある。例えば9月は悪い月だ、学校が始まる。8月は良い月だ。学校は始まっていない。7月、うーん、悪くないね、学校に行かなくてもいい。6月はうたがいなく最高だ。校門は閉まって9月は10億年先。
というわけで10月は特別な月なのです。ブラッドベリを読んで過ごしてみませんか?